アッシリア回・バビロン回のレッスンで話す逸話が、全体のどのあたりの時代に位置するのかを見渡すための年表です。シュメールの都市国家からペルシャに征服されるまで、およそ3000年間の流れをたどります。
楔形文字が発明される。都市国家ウルクが繁栄し、後に伝説化される王ギルガメシュもこの頃の人物とされる。
ウル・ウルク・ラガシュ・キシュなど、シュメール人の都市国家が乱立し抗争を繰り返す。
サルゴン王がメソポタミアを統一。世界最古の「帝国」とされる。孫ナラム・シンの代に最盛期を迎えた後、崩壊。
シュメール文化が再興。ハンムラビ法典より古い「ウル・ナンム法典」が制定される。
アムル人の王朝。ハンムラビ王(紀元前1792〜1750年頃)が統一し法典を制定。イェール大学所蔵の粘土板に記された「人類最古のレシピ」もこの時代のもの。紀元前1595年、ヒッタイトの奇襲によりバビロンが陥落し崩壊。
カッシート人がバビロンを支配。目立った逸話は少ないが、比較的長期にわたり安定した時代。
アッシリアが地域大国として台頭を始める、新アッシリア帝国の前史にあたる時代。
軍事・行政の両面で急拡大し、古代オリエント最大の帝国となる。紀元前612年、バビロニア・メディア連合軍によってニネヴェが陥落し、紀元前609年に完全に滅亡。
アッシリアから独立したナボポラッサルが建国。ネブカドネザル2世(前605〜562年)の代に最盛期を迎え、エルサレムを征服(バビロン捕囚)、イシュタル門を築く。伝説の「空中庭園」もこの王に結び付けられる。紀元前539年、ペルシャのキュロス大王に征服され終焉。
メソポタミアはペルシャ帝国の一州となる。
アレクサンドロス大王がペルシャを征服し、紀元前323年にはバビロンで客死。以後セレウコス朝、パルティア、ササン朝ペルシャと支配者が移り変わり、7世紀のイスラム征服を経てバグダードが新たな中心地となる。
反乱を起こしたバビロンを徹底破壊したセンナケリブに対し、息子エサルハドンは即位後に丁寧に再建した。父と子で正反対の対応をとった逸話。
紀元前701年の包囲は旧約聖書にも登場。アッシリア側の碑文は「鳥かごの鳥のように閉じ込めた」と誇るが、陥落させたとまでは書いていない。
病弱で心配性だったこの王は、体調や夢占いについて学者たちと大量の手紙をやり取りしていた記録が残っている。
実在した摂政サンムラマトがモデル。後にギリシャ人により「バビロンの城壁と空中庭園を築いた女王」として伝説化された。
使い方メモ:アッシリア回はアッシュールナツィルパル2世の宴会碑文を軸にしつつ、導入でアッシュルバニパルの図書館の話を添える構成。バビロン回はネブカドネザル2世と空中庭園伝説が軸——史実としては場所の特定に諸説あるため、「歴史家も意見が分かれる」という小話として使える。